過去ログ - 梓「サナララ」
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40:猫宮[saga]
2012/09/01(土) 19:05:52.92 ID:hnzHRHEQ0
鋭い子だな、と私は舌を巻いた。
私が何を説明するよりも先に話の先を読んでいてくれる。
気配り、観察眼、性格、何をとっても私より先んじてる。
悔しくなってくるくらいに……。
やっぱり、平沢さんの事、もっとよく知りたいな……。
って、今はそんな事を考えてる場合じゃないよね。
私は平沢さんの瞳を正面から見つめながら頷いた。


「うん、そうなんだ。
今の状況、私がお願いした事と全然違ってるの。
だから、平沢さんのお願いはどんな形で叶ったのかな、って思ったの。
失礼な事を聞いて、ごめんね」


「こっちこそごめんね、梓ちゃん。
『一生に一度のお願い』の事はちょっと内緒にさせてほしいんだ……。
流石にそれを誰かに知られるの恥ずかしくて……。
でも、私の『お試しお願い』の事なら教えてあげるね。
それが参考になったら何よりだって思うし……」


「いいの、平沢さん?」


「うん、それくらいなら大丈夫だよ。
それで私の『お試しお願い』なんだけど、
私は『お姉ちゃんを元気で幸せにしてあげて下さい』ってお願いしたんだよ」


「お姉ちゃん……?」


そういえば平沢さんは律さんと澪さんを『お姉ちゃんの同級生の方達』って言ってたよね。
一人っ子の私には分からないけど、
普通の妹はお姉さんの同級生の事を憶えているものなんだろうか。
まあ、普通に憶えているものなのかもしれないけど、
お姉さんの同級生を憶えるくらいにはお姉さんに興味がある事だけは間違いない。
ううん、むしろ平沢さんの様子を見る限り、お姉さんの事をかなり好いてるみたいだ。
大体、『お姉ちゃんを元気で幸せにしてあげて下さい』ってお願いするくらいだもんね……。
何だか自分の事しか考えていなかった私の事が恥ずかしくなってくるけど……。


「どうしたの、梓ちゃん……?」


そうやって私が複雑な表情を浮かべていたせいだろう。
平沢さんが心配そうにまた私に訊ねた。
いけないいけない、今は平沢さんのお願いの事だ。
私は軽く自分の頬を叩くと、平沢さんに視線を向け直した。


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