過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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300:或るモデルの自覚  ◆ebJORrWVuo[sage saga]
2012/08/12(日) 02:00:32.04 ID:0Jlxs+tGP
 チラ、とお兄さんへと視線を向けてみると、もう机に向かって勉強に取り組んでるようです。

 本当に……この人は……。
 
 わたしは気を取り直すと、台所へと戻ります。
 もっと勉強に頑張れるように、そ、そして、もっと美味しいと思える料理を食べてもらう為に。
 

 次の日。
 今日も、わたしはお兄さんの家に向かいます。
 
 ほぼ、毎日こうやって通ってると、何だかその……通い妻、み、みたいですよね。
 いや、い、嫌ですけどっ。

「〜♪」

 ――ハッ!
 今、何かの視線を感じた気がします。
 まさか、見られて……ないですよね?

 …………。
 というか、なんでわたしスキップしてたんでしょうか。
 凄い恥ずかしいんですけど。
 ほ、ホントに誰も見てないですよね?
 
 つい、なんていうか、最近おかしいんですよね。
 お兄さんの家に行く時間になるとそわそわしてしまって。
 段々と家を出る時間が早くなってるのが実感できます。
 
 今だと初めの日よりも一時間ぐらい前には、お兄さんの家に着いてますし。
 家にいても次に作る料理の隠し味とかそういうのばかり探しちゃいますし。
 なんていうか、四六時中、お兄さんに関する事ばかり考える気が……。
 
 …………勘違いです。
 そうそう、これはただの思いこみです。
 お兄さんの高度な策略によりそう思い込まされているだけです。
 だって、これが勘違いじゃなかったら……。
 
 ……確かめてみましょう。
 
「おじゃまします」

 桐乃から預かっている合鍵で、お兄さんの家に入ります。
 そして、まだ家主が帰ってきてない事を確認して……。
 
 もし、わたしがお兄さんに対して、そ、そういう感情を抱いていれば……。
 こうお兄さんの布団の匂いとか嗅いだら、ドキドキしちゃうハズです。

「…………」

 な、なんか嗅ぐ前からドキドキしてきちゃいました。
 というかわたしが今からしようとしている行動がそもそも変じゃないですか?
 ふ、普通、匂いなんて嗅ごうと思いませんもんね。

 …………。
 ま、まあ、ものは試しってやつです。
 少しだけ、そう、少しだけ。
 
 お兄さんが普段寝ている布団に、顔を近づけて……。
 
「ただいまー」
「きゃっ!」

 な、なんてタイミングで帰ってきますか!
 つか早いですよね、わたしの計算だと後一時間は帰ってこない筈なんですけど!

「ん、あやせか? どうした、何かあったか?」
「な、な、なんでもないですっ! 来ないでください!」
「うえ、え、なに、なにがあったの……!」

 わたしの制止が効いたのか足音が止まる。
 そして今のわたしは、お兄さんのベッドにダイブした格好だった。
 
 う、うわあ……。
 お、お兄さんがいつも寝てるベッドに、今わたし、横になってる……。
 ……あ、……おにいさんの、匂いだ。
 
 そうか、……実際に一緒に居るんだから、既にわたしは何度かお兄さんの匂いを嗅いでたんだ。
 だからこれがお兄さんの匂いだと……分かる。


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