過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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867:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/10/11(木) 23:18:32.08 ID:UgVSypyPo

麻奈実の爺ちゃんは、ことあるごとに俺と麻奈実をくっ付けたがる。
どーしようもない性格の爺さんだが、こと和菓子作りに関しては根っからの職人だった。

「ところできょうちゃん、日曜日の件は大丈夫なのかのう?」

「……? 日曜日って?」

「……麻奈実から、なんも聞いておらんのか?」

なーんも聞いてねえよ。てか、今日の麻奈実は普段の麻奈実じゃねえだろっての。

「なんじゃ麻奈実のヤツ、自分で説明するとか言っておったのにのう。
 実はな、今度の日曜日なんじゃが、駅前のデパートの催事場で地元の物産展が開かれるんじゃ」

「……物産展。――で、それが俺と何か関係でも?」

「その物産展に、地元が誇る我が田村屋も出展できることになったんじゃよ。
 という次第で……出来ればきょうちゃんにも手伝ってもらえたらと思ったんじゃが……」

爺ちゃんの話は良く分かった。しかし、なぜかそのとき俺は即答を避けた。

麻奈実んちを出ていつもの丁字路へ差し掛かると、真っ赤な傘を差した、制服姿の少女がひとり佇んでいた。
傘の陰で顔は見えなくとも、桐乃と同じ中学校の制服だということは一目で判る。
近付くにつれ、俺の身体に戦慄ともいえる衝撃が走る。――麻奈実んちの玄関先にあった傘。
ゆっくりとした動きで、女子中学生が振り返った。

「今、お帰りですか? ……お兄さん?」

「チッ、あやせだったのかよ、おばさんのお客ってのは……」


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