14: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/07/15(日) 23:25:50.65 ID:arZspdAto
***
「小鷹君、今日は泊まっていきなさい」
その後父さんとの思い出話を楽しそうに語っていた理事長だったが、急にこんな事を言ってきた。
「えっ、あ、いえ、でも悪いですし……」
「なんだ、やはり君は隼人より人間ができているようだな。だが、気にすることはない。
それに、20時以降のバスはないぞ」
「はい!?」
俺がそう言ってケータイの時間を確認してみると、ちょうど20時を回ったところだった。
この人……絶対わざとギリギリまで言わなかったんだ…………。
「あー、でも小鳩が、妹が家に居るんで」
「……あぁ、すまない、そうだったな。まったく、父親があれだけフラフラしていると大変だな君も」
「あはは、もう慣れました」
そう言って苦笑いを浮かべる。
まぁ料理なんかは嫌いじゃないから、元々そこまで気にしてはいない。
「それではステラの車で送らせるとしよう」
「かしこまりました」
「ありがとうございます、理事長、ステラさん」
「――だがその前に、少し付き合ってもらうぞ」
そう言って理事長が取り出したのは、高そうなワイン。
おいこれはもしかして…………。
「よし、では私の部屋へ行くぞ。安心しなさい、そう遅くまでは引き止めないさ」
そんな理事長に逆らえるはずもなく。
俺は顔を引きつらせながらついて行くしかない。
そんな俺に、ステラさんが後ろから耳打ちをする。
「大丈夫です、旦那様は下戸ですから」
「そんな事はない!!!」
聞こえていたのか、理事長はムキになって言い返した。
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