過去ログ - 天海春香「私のプロデューサーさん」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/22(日) 00:07:08.44 ID:ze0PAYTP0
翌日。
もうすっかり街は冬の様相で、クリスマスソングが流れている。
そんな中私は一人、プロデューサーさんとの待ち合わせ場所へ向かっていた。
「はぁ…」
息が白い。体がぶるっと震える。
(昨日、勝てなかったな…)
改めて暗い気持ちが持ち上がる。
(プロデューサーさん、どうしてあのタイミングで明日の予定だったんだろ。
私のことなんてどうでもよかったのかな…)
でも、とてもそうは思えなかった。最初の一週間のあとも、プロデューサーさんは本当に真剣だったから。
真剣に私を知ろうとしてくれていたから。
「春香ーっ!」
と、向こうで人影が手を振っていた。プロデューサーさんだ。
「来てくれてありがと。んじゃ行こうか!」
「あの、何処へ行くんですか?」
「んふふ、行ってのお楽しみー」
とはいうものの、プロデューサーさんの荷物で大体予測がついてしまった。
「やっと着いた―!」
そう言ってプロデューサーさんはギターを取り出した。
ここは多分、個人用のレンタルスタジオなのだろう。
「わぁ…」
意外に広さがあり、落ち着く。
普段ボイトレをしているところとはまた違った感覚があった。
「どう、このスタジオは」
「はい、何だか凄く…いいな、って思います。でもどうして?」
「あーちょい待って。チューニングしちゃうから」
ギターケースのポッケから、小さな機械が出てきた。
それとにらめっこしながらギター上のネジをくるくると回している。
多分あれで弦を緩めたり張ったりしているのだろう。
まるで魔法のように音が変わるそれを、ただぼーっと眺めていた。
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