137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/01(金) 09:37:05.75 ID:HnWDvWEg0
一瞬でも気を緩める暇はなかった。失血している訳でもないのに意識は飛びそうだった。
それは、あの『天使』と対峙した時を思い出させた。
杖に身体を預け、ようやく、といった風に立ち上がる。
UN「あーあー」
やけに間延びした溜息。
ゾクッ、と嫌な寒気がした。
UNはただ笑っている。
UN「まあよく頑張ったと思うぜ? オレをここまでやった人間は初めてだよ。流石だな」
一方「……、嘘だろ」
UN「あン?」
一方「それで、なンでまだ動いていられンだよ!!?」
左目が潰されていた。閉じたその目から赤く血が流れている。
さっきの銃弾が撃ち抜いただろう事はすぐわかった。
普通なら動けない傷だ。まして、
――笑っていられるような傷ではない。
ヒラヒラと儚げに花びらが床に落ちていく。
似ていた。
あの時もこうやって……、
UNは左目を隠すように髪を直した。
痛々しい傷が黒髪に隠れて見えなくなる。
UN「もう終わりか? あと一発でもあればオレはアウトだったンだけど」
一方「……ッ」
UN「まあ何でもいいや。オレは欲しいだけなンだし」
答えずに銃口をUNに向ける。
呼吸は荒く手も震えているが、それでも。
――このままこいつを殺しておかないと打ち止めが危険だ。
守りたい、と無自覚に願っていた。
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