過去ログ - 禁書目録「それはきっと、幸せだった頃の夢」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 02:06:37.33 ID:OTk9gfUao
「アンタは小学生じゃない」

「そうですけど……」

「ぐだぐだ言わない。師匠の言うこと聞けないっての?」

そう言うと、彼は困ったような、ともすれば泣きそうな目で私を見上げ――やめてよ、そんな顔をされたら私の方が悪者みたいじゃない。

それから彼は、すねたようにそっぽを向いた後、小さな声で、

「……師匠だって女の子なんですから」

などととんでもないことを言ってくれやがる。

よりによってこのチビッコは私を気遣っているのだ。
年上で、しかも魔術の師匠。
そんなことを気にかける必要はまったくないのに、彼は一丁前に英国紳士の嗜みとして私をレディとして扱っている。

……さすがにこんなチビガキ相手に懸想するほど私は初心じゃないけれど、
でもまあ、今日のところはそんな小さな紳士に免じて聞かなかったことにしてやろう。

クリスマス・イヴだし……と言い訳じみた理由を付け足して。

「はいはい、分かったわよ。今から返したところで、結局怖いお兄さんたちに絡まれて身包み剥がされるのがオチだもの。
 どうせ同じ凍死をするならアントワープ大聖堂がいいもんね」

「僕の死に様の心配はしなくていいです!」

見た目だけはわりと感じのいい死に方だと思うんだけどなあ。
あいにく私も件の絵を見たことはないのだけれど。


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