過去ログ - 禁書目録「それはきっと、幸せだった頃の夢」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2012/11/16(金) 01:12:38.23 ID:uelRCKoGo
私もまだ十四歳の少女だ。
本当なら学校でもう少し青春っぽいものを謳歌しててもいい年頃だけど、頑張りすぎた弊害というべきか。
近頃では魔術師としてそれなりに名が通ってきたお陰で泥臭い仕事は後を絶たないし、その上この歳で弟子の育成だ。
ステイルはいい子だけど、馬鹿だし、何もないところで転ぶし、たまに『仕事』についてくるとすぐ死にそうになっている。
手が掛かるという点で論じるならば、これ以上ないほどの逸材だ。
そのくせ魔術の素質はあるから数年もしないうちに私なんて抜かれてしまうだろうけど。
……と、ステイルの話はいい。今はそれよりもインデックスだ。
現在、彼女はアウレオルスに魔道書の扱い方についての講義を受けている真っ最中だ。
魔道書と一言に言ってもその性質はまるで異なる。
宗教間の差異、時代による変性、風土による違い、筆者ごとの癖。
パターンのようなものはほぼないに等しい。一冊ごとにまったく別の宇宙を内包していると称してもいいくらいだ。
そして、それを見極められるように、魔道書を扱うためのありとあらゆる知識を叩き込む……それがアウレオルスの仕事だった。
一〇万三〇〇〇の宇宙法則を寸分の狂いなく読み解けるようにするのだ。生半可な仕事ではない。
インデックスについては考えるのが馬鹿馬鹿しくなるほどなのでもう諦めたが、それを任されたアウレオルスも大概だろう。
「当然、と言うべきなのだろうな、この場合。持参した魔道書の大半が既に消化されてしまった。
暇を見つけては書いているが、追いつかないだろう。まったく、完全記憶能力というのも厄介だな」
苦笑する彼だが、言葉の調子に険はない。
元々、隠避記録官という役職は魔術の知識を正しく得るために生まれたものだ。
真綿が水を吸うように知識を咀嚼してしまうインデックスは、彼にとって最高ともいえる生徒なのだ。
多分私が、作った料理を残さず平らげてしまう彼女から感じるのと同じような性質のものを得ている。スケールは違うけど。
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