139:1[saga]
2012/08/17(金) 21:55:22.33 ID:UsZuckHV0
四月一日「どうしてこんなことをしたんですか」
この子供の無残な姿や、テレビで見た遺族のインタビューを思い浮かべる。
どれも同情せずにはいられない。
だから問わずにはいられなかった。
140:1[saga]
2012/08/17(金) 22:06:13.19 ID:UsZuckHV0
龍之介「だいたいさ。どいつもこいつも毎日毎日くっだんねー平凡で代わり映えのない人生歩んでんだろ。
でもさ、死ぬ瞬間だけは違うんだよ。
一風変わった人が、死ぬ瞬間はあっけなくつまらなく死ぬことだってある。
ふだんつまらない平凡そうなやつが、死にぎわに意外な行動をとることだってある。
誰かを殺す瞬間だけは、普段では全く知りえないことを得ることができるんだよね。
141:1[saga]
2012/08/17(金) 22:11:17.02 ID:UsZuckHV0
四月一日「一つだけ聞かせてください」
龍之介「ん?」
これだけは聞かなくてはいけない。
142:1[saga]
2012/08/17(金) 22:17:35.46 ID:UsZuckHV0
四月一日「ひまわりちゃんこっちだ!」
学生鞄を龍之介のほうに素早く投げつけ、俺はひまわりちゃんの腕を握って駆け出した。
学生鞄はひまわりちゃんのほうに意識を割きすぎていた龍之介にあっさり命中する。
何とか離脱する時間は稼げたようだ。
143:1[saga]
2012/08/17(金) 22:22:51.40 ID:UsZuckHV0
?「純情少年!」
龍之介が追ってきているであろう方向から女性の声が聞こえる。
四月一日「これってお姉さんの・・・」
144:1[saga]
2012/08/17(金) 22:31:06.64 ID:UsZuckHV0
走る。走る。
どのくらい走っただろうか。
俺にはまだ余裕があったが、そろそろひまわりちゃんが限界だ。
四月一日「・・・! 開けた場所だよ!」
145:1[saga]
2012/08/17(金) 22:32:16.02 ID:UsZuckHV0
四月一日「この空地を抜けたら商店街だからがんばろう!」
ひまわり「・・・うん!」
146:1[saga]
2012/08/17(金) 22:38:52.52 ID:UsZuckHV0
こうなったらひまわりちゃんだけでも守らなくてはいけない。
四月一日「・・・ひまわりちゃんさきに行って」
ひまわり「でも!」
147:1[saga]
2012/08/17(金) 22:42:58.95 ID:UsZuckHV0
龍之介「ちっ」
龍之介はナイフを俺の胸にさっさと突き刺そうとするが、あっさりやられるわけにもいかない。
一か八か体当たりをして体勢を崩した。
148:1[saga]
2012/08/17(金) 22:47:14.94 ID:UsZuckHV0
四月一日(−−−あ)
死ぬな。本能的にそう感じた。
ネオンがやけにゆっくり落ちてきているように見えるが、動くこともできない。
149:1[saga]
2012/08/17(金) 22:53:03.22 ID:UsZuckHV0
ガッシャーンと、目の前にネオンが落下する音が響いた。
四月一日「・・・あれ、俺生きてる? なんで」
姉「よかったよ。君が霊媒体質で」
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