過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:27:38.03 ID:4DOG5YTr0
◆No.3 Shoko Arita
話は少し遡る。
合宿の集合場所である校内で、私はその子を呼び止めた。
「由美・・・大丈夫?元気出してね?」
「・・・ありがと」
由美は無表情に呟くと、そのまま立ち去ってしまった。
「由美・・・」
やっぱり言い方が悪かったのだろうか?
お兄さんと綾野さんが相次いで死んでから、由美の様子がどこかおかしかった。
久保寺先生のようにぼーっとしてる訳でも、心ここにあらずという訳ではない。
目力はしっかりしているのだが、何もかも寄せ付けない、
心を閉ざしたような感じになってしまった。
夏休み前までは、もっとはきはきした笑顔の似合う子だったのに・・・
気を取り直して、私は別の少女に声を掛けた。
「柿沼さん・・・?同じ部屋だよね。
あんまり話したことないからといっても、改めて言うのも変だけど、
私は松子、有馬松子。“まつ”って書くけど、“しょうこ”だよ!」
「は、はい・・・有田さん」
「うん!あ、そうだ。松子でいいからね、よろしく!」
努めて、私は明るく彼女に返事した。
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