過去ログ - 恒一「『ある年』の3年3組の追憶」
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134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:51:42.86 ID:4DOG5YTr0

翌々日、俺は市立病院を訪れた。
夕見ヶ丘に住んでいる俺にとっては、目の鼻の先にある所だけど、
こうして足を運ぶ機会は極めて少ない。
馬鹿は風邪を引かないというけど、
以下略



135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:52:49.16 ID:4DOG5YTr0

サカキは、俺たち三人とまんべんなく話をしていたが、
やはり見崎に目を向けることが多い。
ああ、やっぱりサカキと見崎は、俺たちにはない何か深い繋がりがあるんだな・・・
二人だけで色々話したいこともありそうだし、
以下略



136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:53:35.25 ID:4DOG5YTr0

「・・・これが災厄を止める方法だ。
これをどう解釈するかは、君達しだいだ。ただ、よく考えて行動してほしい。
ちゃんと考えて・・・周りの友達と相談して、後悔しないように・・・」

以下略



137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:54:04.19 ID:4DOG5YTr0

◆No.16  Megumi Tatara

「皆さんの中には、既にニュースなどで知ってる人もいるかもしれませんが、
先日起こった火災事故で、クラリネットパートの王子君が・・・」
以下略



138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:54:30.53 ID:4DOG5YTr0

家に戻り、私は三年間の思い出が詰まった写真を眺めた。
コンクールの時に全員が演奏しているものもあれば、
楽器パート別に集合写真を撮ったものもある。
フルートとクラリネットは同じ木管楽器同士なので、
以下略



139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:55:02.72 ID:4DOG5YTr0

数日後、悲しみがまだ完全に癒えたわけではないけれど、
ある程度気力を取り戻した私は、
松子ちゃんと一緒に、幸子ちゃんのお見舞いに行った。
いつも明るい松子ちゃんも、親友だった小椋さんを失い、
以下略



140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:55:35.53 ID:4DOG5YTr0

「でも杉浦さんの生まれ変わりかぁ。
ミニマムサイズの杉浦さんを想像したら・・・ぷっ」

「ち、ちょっと松子ちゃん!せっかくいい話だったのに、想像させないでよ!」
以下略



141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:56:01.81 ID:4DOG5YTr0

もうすぐ、お盆休みになる。
今年はあちこちで、悲しい新盆を迎えるのだろう。
友達や家族、みんなが大切な人を失った今年の夏。
でも、杉浦さんのお姉さんが言っていたように、
以下略



142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:56:30.32 ID:4DOG5YTr0

◆No.7  Sayuri Kakinuma

あの合宿の事故から、十日あまりが過ぎた。
地獄のような業火から逃げ惑い、その中で沢山のクラスメイトの命が失われた、
以下略



143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:57:00.57 ID:4DOG5YTr0

7月も終わりに近づいたある雨の日、
図書館から本を借りた私は、あともうすぐで家に着こうとしたその時、
鼓膜が破れそうになるくらい大きなクラッシュ音を耳にした。
何が起きたんだろう・・・まさか私の家で何かあったら?
以下略



144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:57:29.56 ID:4DOG5YTr0

ここからは記憶がところどころ飛んでしまったけれど、
合宿所が例の火事になると、私は松子ちゃんともはぐれ、
ひたすら出口を目指して逃げ出した。
けど、玄関で私たちは落下したシャンデリアの下敷きとなってしまう。
以下略



145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:57:59.41 ID:4DOG5YTr0
その二日後、私は図書館で辻井君とばったり再会した。
図書館がもうすぐ盆休みでしばらく閉まってしまうため、
今のうちに本をいくつか借りておこうと思ったのだ。
たぶん、辻井君も同じだろう。

以下略



146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:58:37.02 ID:4DOG5YTr0

「・・・ところで、柿沼さんが返した本はなんだったの?
さっきは慌ててたから、ちらっと見る暇もなかったよ」

お互いに喋ることもなく、黙々とただ道を歩いて行く中で、
以下略



147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:59:02.30 ID:4DOG5YTr0

そんなこんなで話をする内に、
歩道の反対側に見慣れた人影が二つ見えた。
あの眼帯は間違いない。見崎さんと榊原君だ。
二人は私たちの存在に気づかなかった様子で、そのまま通り過ぎていった。
以下略



148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 22:59:31.79 ID:4DOG5YTr0

見崎さんの話によると、5月から始まった災厄は、
あの火事を最後に終わったのだという。
沢山の人が犠牲になり、生き残ったクラスメイト達も、
誰もが心に大きな傷を残した。
以下略



149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 23:00:00.57 ID:4DOG5YTr0

◆Outroduction  Kouichi Sakakibara (Reprise)

3月21日、日曜にして春分の日であるこの日。
夕見ヶ丘の中腹にある市立病院より、さらに丘を登った先にある夕見ヶ丘総合公園。
以下略



150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/06(月) 23:00:44.04 ID:4DOG5YTr0

演奏会の終了後、ホールを出たぼくたち四人が帰り道を歩む中、
勅使河原が口を開いた。

「そうだ、サカキ。まだ数日は夜見山にいるよな?
以下略



151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/08/07(火) 02:13:59.01 ID:OfBxSvmlo
長すぎワロタ



152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/08/07(火) 11:32:52.70 ID:Ew1HQZkOo
乙!


153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage]
2012/08/08(水) 23:09:58.83 ID:mXV40U0bo
あ、作者様()お久しぶりです^^;


154:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/10(金) 21:26:46.37 ID:2oFYe+1w0
>>153
どうも、こんばんは。
あとがきを入れると、さらに長くなってしまうため、カットしました。


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