過去ログ - うちはイタチ「今からお前を強くする」 佐天涙子「えっ?」
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6:  ◆yh7XZ6hD3o
2012/08/08(水) 14:27:17.93 ID:nnyytdY/0
「大丈夫かい?」

「大丈夫、初春!?」

「えぇ、大丈夫です。お兄さん、助けてくれてありがとうございました。」

「いや、礼ならいらない。」

「って!あなたにはまだどうして学園都市にいるのか、事情聴取はたーっぷり風紀委員(ジャッジメント)の方で行わせていただきます!」

「面倒になったな、こりゃ・・。」

「(すごい、一人で3人の相手を・・。私も、あれほど強かったら・・・。)」

風紀委員一七七支部にて、
「気づいたらここにいたって?そんなB級映画みたいな超展開を信じろとでもいいますの?」

「いや、本当にそうなんだ。信じてくれ。」

「はーっ、世の中メルヘンな方もいたものですわね〜。そこまでして学園都市にいたいわけなんですの?」

「いやそういうわけでも・・・。」

「仕方ないですわね・・。今からアナタのIDを特別に作るよう申請して差し上げますの。アナタのお名前は?」

「うちはイタチだ。」

「あーら名前もすっごい珍しいこと・・。ま、もう用はないから、さっさと帰りやがれですの。」

「はは・・・。そりゃどうも。」

白井黒子という女性による長い事情聴取は終わり、今回は見逃してくれることになった。
更にはイタチのIDも発行するよう申請してくれるとのことであった。
階段を下りるとベンチで一人の女の子がしょんぼりしていた。さっきのもう一人の方の女の子だった。

「どうしたんだ?そんな顔して。」

イタチは優しく声をかける。自分はここでは『暁』としてのイタチでなく『本来の』イタチとして行動しようと決めていた。

「私・・、友人一人も救えないなんて・・。」

「お前はその能力者とやらではないのか・・?」

「違います。レベル0(無能力者)ですよ、私・・・。」

「そうか・・・」

「アナタはうらやましいですよね・・・。」

「何故そう思う?」

「だって、能力かどうかは知らないけど、あんな人間離れしたようなスピードで動いたり、いきなり気絶させたりして・・。」

「能力を持ったことで不幸になる話もあるかもしれないぞ?」

「そんなことあるはずないですよ!」

「さっきから聞いてると、君は能力を持ってないことにコンプレックスを抱いている、違うか?」

「っ・・!」

「何故そこまで能力に憧れる?強くなりたいと思うんだ?」

「そ、それは・・・。」

「君はただ、能力を手にすることで自分は能力を持っているという安心感に浸りたいんじゃないのか?」

「・・・。」

「そんな者が能力を手にしたところで待っているのは力に溺れる悲しい末路だ。やめておけ。」

イタチは、涙子を傷つけようとして言っているのではなく、『今の現実を受け止めて』ほしいがためにいっているのだ。
もし、ただ能力を持っているというステータスがほしいがために力を持とうというのであれば、それは愚かな行為であると伝えたかったのだろう。

「そ、そんな・・・。」

「俺はもう行くぞ・・・。」

「あ・・・、」

佐天は何も言えずに只々、青年の背中が見えなくなるのをじっと見ていた。


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