過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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107:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/02(日) 02:34:46.40 ID:3FHGFNhP0
>>106

「土産だ。同期じゃあ女王って言われた我が数理学のホープ、
その切れ味を久々に見てみたくなってな」

つまり、色恋に惚けている。そう言いたいのだと理解した。散々言われて来た事だ。
アイシャが、ロキが投げ出した分厚い紙束を手に取る。
それを論文と知ったアイシャがいい顔を見せた事で、ロキは不敵な笑みを浮かべる。

「ま、俺もちぃと忙しくてな、その内聞かせてもらうよ」
「ありがとうございます」

アイシャがぺこりと頭を下げた。

「…覚悟しろよ…」
「?」

アイシャが声を掛けようとした時には、振り返らずに右手を掲げたロキはドアの向こうに消えていた。

 ×     ×

自分がどう帰宅したのかも覚えていない。
とにかく、明日から忙しくなる。いや、本当ならもう今からでも。
ロキと飲み明かして、とにかく一本ウィスキーが欲しい。
脳味噌をバーボン漬けにして一時だけでも何もかも忘れたい。

それが本心だったが、無理やり断って来た。
とにかく何よりも、誠実に対応しなければならない相手がいる。
想は、自宅玄関を開けて中に入る。

「アイ、シャ?…」

アイシャは、リビングのソファーに座り込み、顔を覆っていた。
周辺には数式の紙片が散らばり、想はテーブルの上の論文とノートを見比べる。

「…分からない…」

そう呟いたアイシャの指と指の間から、小さな瞳が見えた。

「燈馬、おかしいの」

アイシャが顔を上げた。


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