過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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135:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/08(土) 13:55:13.67 ID:q3Cr0rec0
>>134

「ああ、元々二つの国は文化的、民族的にも一致に近い状態だった。
合併された側の国は、植民地やら冷戦やらの都合で少数民族による独裁政権が長年続いていた。
その辺の事が無くなって、いよいよ国際的な批判を浴びる状態になっても
独裁システムだけは残った状態だったが、当の独裁者がぽっくり逝っちまってな。
内紛やら難民やらがカオスになって国境もぶっ壊されてしまいに合併、
当時の軍事政権の方がまだマシだったって事さ」

内海の問いに、事情を知っていた草薙が端的に言った。

「教授は形の上では日本の政府系のプロジェクト、
研究室のスポンサー企業の意向が少なからず働いた再開発計画に技術協力する事となった。
その、仕事場となった施設で休憩時間に面白い数式に取り組んでいた男。それが燈馬想だった」
「面白い、数式ですか」
「どういう数式で何がどう面白いか、説明しようか?」
「いえ、出来ればその辺は省略していただければ」

「よろしい。彼は所属していて研究所の出資者に当たる米国メジャーの意向でその国を訪れていた。
物理学者と数学者、地理的に近くで働いていても仕事上の分野は違う。
それでも嬉しかったよ。あの技量に基づく美しさの追求。
異境の地で初めて話の合う相手に出会ったと思った。
話が弾む、と言うタイプではなかったが、時折二人で飲む酒はまずくはなかった。
早速だが、水原可奈の事も思い出した」

「なんですかっ!?」
「うん。あれは、現地のホームパーティーに招かれた時だ」

 ×     ×

「水原さん、元気にしてるかな」

夜の庭で、何を見たのか遠い目をした想がふっと呟いていた。

「ん?」

「あ、高校の時の同級生だった人です」
「高校」
「はい、東京の咲坂高校」
「なるほど、さっぱり分からない」
「んー、トーマのコレだったってか?」


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