過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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136:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/08(土) 13:57:42.49 ID:q3Cr0rec0
>>135

 ×     ×

「その時は、曖昧な笑みで交わしていたが」
「気にしてたんですね」

内海の目が、刑事のそれになった。

「それで、その後湯川先生と燈馬想は?」

「私達が先に帰国する事となった。我々、正確には教授がやっていた事が、
日本の国内法で禁止している軍事転用技術の輸出に当たるのではないかと、
日本側に告発した人物がいた。そのために仕事半ばで帰国する事となった。
燈馬想は、その後もその国に残り続けた。政府要人の私的なブレーンとしてね」
「それって凄い事なんじゃないですか?」

「うん。燈馬想のオーナーだったメジャーの意向ももちろんあったが、
彼が些か数学者に留まらない博識才覚で知己を広げていたのも確かだ。
元々、燈馬想は日本で高校生をしていた時に、
国際司法裁判所で国家を代表して弁論を行うための補佐人をしていた事もある」

「あのー、すいません何言っているのかよく分からなかったのですが」
「ん?事実をそのまま説明した筈だが。
これ以上その辺を説明すると長くなるし今の所は省略しても構わないだろう。
その、燈馬想をブレーンとした要人と言うのが民主化運動時代もシンボル的存在だった、
過去の民主主義政権でも閣僚を務め留学の経験もあるインテリ。実に聡明な美人だった」

「やっぱりそこですか」
「うん。その美人が」
「美人にこだわるんですか?」

「重要な事だ。その聡明な美人が特にスカウトした以上、
下世話な噂も無いでは無かったが彼は十分な働きをしたと思う。
彼は十分な働きをした、が、時間がそれを許さなかった」
「何か、あったんですね」

「国内外の利権の坩堝と化していた大規模開発事業のアセスメントに重大な瑕疵がある。
貴重な生態系、文化財への致命的なダメージを意図的に隠蔽している。
その様な内容の報告書、最早告発と言ってもいい。その様な文書がイギリス経由で世界に公表された。
それにより、世界的権威と言われた何人もの学者が、
控え目に言っても開発側への度の過ぎる迎合を指弾され、その世界から抹殺された」


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