過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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16:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/11(土) 02:21:53.05 ID:9RA2XFou0
>>15

「エレファント」

想の僅かな呟きを聞いた時、可奈はぐらあっと目眩を起こすのを辛うじて踏み止まった。
想が立ち上がり、一歩、二歩、ゆっくりと美里に近づく。

「燈馬、さん?」
「燈馬君?」

可奈は、必死に追い縋ろうとするが座り込んだまま口も体も動かない。

その間に、想は美里の正面で片膝をつき、すっと手を伸ばす。

「燈馬くんっ!?」
「余程慌てて飛び出して来たんですね、着替えの最中に」

美里のシャツブラウスの上部ボタンを留めた想は、
そう言いながら異変に気付いた。
ガタッと立ち上がっていた可奈が胸元を掴んで体を折り曲げる。

「おかあさんっ!?」
「美里さん、ビニール袋を」
「はいっ」

可奈がどさっと座り込み、美里が持って来たビニール袋の口を想が可奈の口に押し付ける。

「呼吸を整えて下さい、はい、落ち着きましたか?」
「う、うん。重ね重ね、ごめん燈馬君」

落ち着きを取り戻した可奈が、自分を支える想の腕を抜け出る。

「とにかく」

可奈が、想の目を見た。

「とにかく…あいつを殺したの、私だから。私が一人であいつを殺したの」
「おかあさんっ」
「美里は黙っててっ!だからね、だから燈馬君」
「無理ですよ」

想は、静かに言った。


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