過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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18:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/11(土) 02:28:14.80 ID:9RA2XFou0
>>17

可奈は、叫び終えても顔を上げる事が出来なかった。

彼はどんな顔をしているのだろうか?今まで彼と共に何人も見て来た、
人の道を踏み外しその上に論理性の欠片も無い愚かな弁解を重ねている
愚かな犯罪者をどんな顔で見ているのだろうか?

彼は一見冷淡に見えても根は優しい男性だ。情において忍びない事件にも何度か遭遇している。
客観的に見ても、少しは同情の余地があると思う。
そんな自分を哀れんで見下ろしているのだろうか。

そして、次に口を開く時には、確たる態度で正しい道を選択する、それが燈馬想なのだと、
水原可奈は知り過ぎる程に知っている。

「おかあさんっ!おかあさんもういいよおかあさんっ」

駆け寄り、揺さぶる美里を、可奈は抱き締める事しか出来なかった。

「美里…いいの、美里はいいの、私が悪いんだから私がやったの私が一人で…」
「嫌だよ、こいつが悪いのにみんなこいつがおかあさんどんなにこいつ…
嫌だよ、私だっておかあさんを刑務所に入れたくない…」

水音が聞こえる。
ようやく可奈が顔を上げると、想がコップで水を飲んでいる所だった。
そして、少し周囲をうろつき回る。近寄り難い表情だった。

「美里さん」
「はいっ」
「借ります」

想は、美里の勉強机に向かい着席していた。
机に下敷き、その上にルーズリーフを置いてシャープペンシルで書き込みを始める。
黙々と書き込み、紙面が埋まるごとに次々と新しいルーズリーフを取り出す。

「燈馬さん?」
「しっ」

声を掛けようとする美里を可奈が制する。
想は、時々頭を抑えながらも黙々と書き込みを続ける。
買い置きのルーズリーフが尽きようかと言う頃に、
想は、紙面の末尾に書き込まれたQ.E.D.の文字の下にアンダーラインを引く。


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