過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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181:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/09/24(月) 15:35:24.23 ID:2okgrC/F0
>>180

 ×     ×

あれから想は弁当屋にも顔を見せない、連絡も無い。
何が何だか分からない、いや、案外単純な話なのかも知れない。
つまり、身一つで社会に飛び込んでから今まで見て来た男と本質的には大して変わらないのだと。

不謹慎な言い方をすれば何かの弾みで殺人を犯してしまった女が
その遺体を処分した共犯者の男に弱味を握られて、なんて、
よくあるかどうかは知らないがよく聞く話ではないか。

そう、笑い飛ばしてしまいたかったが、引っ掛かってしまうのは自分の知る思い出、過去。
あれから、可奈の頭の中では、そんな堂々巡りが弁当用の唐揚げが出火する寸前まで延々と続いていた。
その時はその時だ、と割り切る事も出来るかも知れないが、それでもやはり相手は燈馬想だ。
彼がブラックバージョンになった場合、その恐ろしさは底知れないとしか言い様がないが、
それはそれ、元はと言えば自分の罪だ。自分が受け容れる以外の選択肢は無い。

帰宅し、両手で顔を覆って座り込んでいた可奈は、
鳴り続ける固定電話にようやく歩み寄った。

「もしもし」
「もしもし、水原さん?」
「え?」
「私」
「もしかして、七瀬さん?」
「うん、久しぶりっ!」
「久しぶり!!」

素直に、本当に素直に懐かしかった。
これがもう少し前であれば、連絡を絶った立樹が直接電話を掛けて来た事に何か考えるのが優先した筈だ。

「水原さん、なんか、大変だったんだって?殺人事件に巻き込まれたとか?」
「う、うん。もしかして警察がそっちに?」

それが一番分かりやすい。想と森羅は従兄弟同士。
刑事のあのしつこさであれば行かないと考える方が不自然。
そして、森羅に警察が行けば即座に立樹に繋がる。


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