過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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210:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/10/11(木) 22:45:16.44 ID:7fJDHbYL0
>>209

「僕の場合も、ここで退いても何の得にもなりはしません。
それなら丸損は避ける方向でやらせてもらいますよ」
「合理的な選択。燈馬君がそう言うんなら信用出来る」
「ありがとうございます」

もう一度、可奈に微笑みを向けた想が目を丸くした。
ふっと一度触れた可奈の唇が想の唇から離れる。

「今夜は?」
「帰ります」
「そう」

ふっと半開きの目で微笑む可奈に想は首を小さく横に振って答え、立ち上がった。

 ×     ×

「いらっしゃいませ」
「お早うございます」
「はい、お早うございます」
「お任せ一つ」
「はーい、お任せ入りまーす。お待たせしました、六百円です」
「はい…じゃあこれで」

想が小銭入れから取り出したのは、折り畳まれた千円札だった。
その和紙の隙間からほんの僅か、鮮やかな白が覗いて見えた。

 ×     ×

「来てくれましたか」
「うん」

昼過ぎ、近所のエアポケットとでも言うべき建物の陰で、
想と可奈は落ち合っていた。

「どうしたの?」
「ええ、お報せしたい事が」
「何?」
「僕の方もお話しを聞いて腹が決まりましたから、その事を」
「そう」

そういう想は、確かに何かさっぱりした様だった。


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