過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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255:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/10/31(水) 17:32:01.54 ID:bXMuUyGS0
>>254

「知りたい?」

不意に、声が聞こえた。
姫子がそちらを向こうとすると、さああっと風が木々の葉を鳴らす。

「本当に知りたい?」
「誰かいるのかっ」

木々のざわめきと共に聞こえる声に、草薙が聞き返した。

「扉は、お姉さんの目の前にある。鍵の束はお姉さんの手に握られている」
「誰っ!?」

たまらず姫子も聞き返した。

「鍵穴に鍵を差し込んで、回してみるだけでいい。
回らなかったらそれだけの事なんだ」
「私には、既にそれが出来ると言うの?」

「出来るよ。その手に握っている鍵で、扉を開ける事が出来る。
その扉の向こうだよ、お姉さんが欲しているものがあるのは。
でも、本当に見たい?」
「どういう事?」

「扉の向こうにある真実を、お姉さんは本当に見たいの?」
「ええ、是非見てみたいわね」
「それじゃあ、鍵を探しなよ。
いや、本当は鍵は一本しかなくて、それでも差し込めないだけなのかも知れない」
「何を言っているの?」

姫子が聞き返すが、その姫子を内海はじっと凝視している。
湯川の話を聞き、そして、先ほどからの姫子の話を聞いた内海は、姫子を見据える。

「知りたければ、お姉さんの持っている鍵の中から扉の鍵を探しなよ。
鍵が回るかどうか、試してみるだけでいい。
本当に鍵を開いて、扉を開けて中を見てみようと言うのなら、
驚異の部屋でお待ちしています」

風がやんだ。
同時に、気配まで消えた様だった。


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