過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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262:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/11/02(金) 15:56:02.36 ID:aEGHdTkt0
>>261

「やれやれと言いながら引っ張り回されて内心楽しい高校生活。
私も似た様なものを身近で見ていた記憶があります。

ふとした拍子に思い出した言葉ですが、わたくしに教えてくれた。
水原美里の告白、ファイリングされた捜査資料、全てが実在して尚、
SFで無い限り世界は一つしか存在しない。
只、ズレて噛み合っていないだけなのだと」

その言葉を聞いた想の表情は相変わらず穏やかだ。
だが、その中にもそこはかとない敬意が感じられるのは姫子の自惚れだろうか?

「恐らく、気付いたのは私だけじゃない」
「湯川さんですか」
「恐らく、彼は気付いている。彼が気付いていると言う事は警察にも伝わると言う事。
だけど、それは時間との闘いに過ぎない。
最大の問題は燈馬想っ!」

想が驚いたのは振りなのか本心なのか、少々頼りなかった。
少なくとも、姫子の真剣を彼が受け止めたと言う事は理解出来た。

「短い付き合いですが、水原美里は間違いなく水原可奈の娘です。
あの水原可奈が人生を懸けて産み、そして育ててきた気性の持ち主です。
その水原美里があなたに、あなたに水原美里の良心を預けたと言う事です。

わたくしは最後まで、例え解任されても最後まで
あなたに弁護人として信任を受けた者としての責務を全うします。
あなたは燈馬想、あなたは燈馬想としての生き様を全うしなさい、いいですね」

ほんの少しの間、立ち上がった想は呆然としていた。

「よろしくお願いします、江成先生」

想が、深々と頭を垂れた。

「時間の様です。よく考えて下さい」

勝った、等とは思わない。達成感と言う程のものは無い苦い結末。
それでも、少しはいい仕事が出来たのだろう、姫子はそれだけは自らに認めたかった。


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