過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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44:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/16(木) 04:00:46.30 ID:ZXszWIz70
>>43

 ×     ×

「いらっしゃい」

気配に振り返った水原可奈がトレードマークの元気な挨拶を口に出し、
そのまま笑顔を凍結させた。

視線の先には二人の来客。
一人はこの店、弁当屋「みさと」の常連にしてもっとずっと前から旧知の仲の燈馬想。
だが、普段彼が来る時間ではない。
普段であれば、気紛れに寄ってくれるのはむしろ嬉しいし何かの都合であり得ないでは無い話だ。

だが、元々行動パターンが静かなる数学的とも言える彼が
今の状態でパターンを崩す事自体、可奈の胸がざわっとする。
そして、その燈馬想が見知らぬ男を連れて来ている。
営業スマイルを張り付かせたままそっと息を呑むには十分。これが犯罪者の思考なのだと改めて思う。

「お勧めの弁当は?」
「どれも美味しいですけど…」
「彼はいつも何を?」

可奈の視線の先で、想が小さく頷いた。

「燈馬、さんはお任せ弁当を」
「では、それを貰おう」
「はい。お任せ入りまーす」
「なるほど、どれも美味しそうだ」

興味深そうに店内を見て回る湯川の脇で、想は静かに顔を伏せている。
そんな二人の間を一人の男性客がするりと通り抜けた。

「いらっしゃいませー」
「お久しぶり」
「工藤さん」

可奈がどこか親しげに声を弾ませ、伏せていた想の視線がすっ、と、工藤に走る。


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