過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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56:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/17(金) 01:18:39.70 ID:9cMf0qdf0
>>55

「今までもそれなりに仕事の付き合いがあって、こんな自爆ものの捏造やる理由が無かった、普通分かるかよ。
って言い訳したい所だけど、これは俺の手抜かりだった。
事務所でサポートしてた俺の手抜かりであんな隙を作って、
分かるだろ?生半可な努力で掴める資格じゃないって。

その後も、色々甘えて助けてもらったのは本当だけど、それ以上に努力してた。
それが、こんな事で、資格喪くしてあんな悪徳弁護士が勝つって。
高校時代から特許とかでかなり稼いでるって聞いてる。
対等な友人でいたかった、だけど形振り構っていられない。頼む、この通りだっ!」

想は立ち上がり、畳に額を擦り付け滴を吸収させているその姿を静かに見下ろし、片膝をついた。

「公正証書は書いてもらいますよ。個人の法定利息最高限度で」
「もちろんだっ!すまない、恩に着る…」

 ×     ×

自分と彼女の共通の友人、或いは共通の仲間との再会を思い出しながら、
想はトディで体を温める。

「江成さんの方の景気は?」
「ぼちぼち、って所かしらね」

同じバーのテーブル席で、想の正面に座った江成姫子が応じる。
オランダの卵酒を傾けながら。

「それはいい事です。債権者としては」
「あなたもそういう冗談を言う様になったのですね。
ええ、分かっています。お金の事は冗談ではないと」
「はい。江成さんの支払いはいつもきちんと為されていますから」

変わらない邪気のない笑顔。惹かれる女性もいるのだろうと、今は姫子にも理解出来る。
もし、あの時、想が何か手を打てば自分は簡単に落ちていただろうと思えるぐらい。
あの時、流石に依頼人を放り出す訳にもいかず、解決すれば見込みもあるのだからと、
色々呑み込んで又祖母に頭を下げよう。優しく微笑んでくれるのが一番辛い。

そう思っていた矢先、手下があり得ない金策を成功させた。
問い詰めて事情を知った姫子は、翌日ただちに想の自宅に駆け付けた。
そこには、相変わらず飄々として案外親切な昔馴染みがいた。
姫子は只礼を尽くし、借金を自分名義にする様に申し入れて、
元の債務者を連帯保証人とする事を条件に快諾された。


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