過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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燈可奈弁X
◆WxhrC2Qhtw
[saga]
2012/08/17(金) 01:23:48.20 ID:9cMf0qdf0
>>57
姫子の感謝は、心からのものだった。
想と再会し、借金の話し合いを付けたあの日、半日かけた議論が事件を左右したのは間違いなかった。
姫子の戦い方も決して見劣りするものではなかったが、やはり想には見える発想の隙があった。
相手はヴェテランの悪徳弁護士、それだけに黒幕に徹していたのだが、
それだけにたかだかひよっこと侮った、それも狡猾な手段でボディーと顎をぶち抜いて
9カウントまでマットで目を回していた相手に勝負ありとの算段は当然の事だった。
狡猾な黒幕は知らなかった、江成姫子の怒髪が天を突くとはどういう事か。
例え彼女が弁護士資格を喪う事になったとしても時間が掛かっても同じ未来が待っていた事を。
古狸の悪徳弁護士は知らなかった。その誇り高さ、矜持を憎めなく思わせる、
彼女がクイーンでいる事が許されるその魅力、意外な人徳が繋ぐ力を。
そんな姫子の動きが急に良くなった。そう思った時には完全に手遅れだった。
クイーンの騎士であるために、その名を懸けた執念の調査もあって、
姫子をハメ殺しかけた、老人の財産をあらかた呑み込んだ実行犯は土下座する生き物へとメタモルフォーゼし、
黒幕弁護士は民事に懲戒にナマコが陸に上がってトリケラトプスの大群を横断しようとした様な有様で
両手一繋がりの銀のブレスレッドを進呈された。
「こうやって、旧交を温めて美味しいお酒を飲みたい所ですけど、
気が付いているのでしょう」
「はい」
「富樫慎二」
それは、片隅のバーの片隅のテーブル席で、静かに始まっていた。
トマトジュースで割ったウォッカのグラスを置いて、姫子は想の目を見る。
恐ろしい程に静かな目だ。かつて、無鉄砲だった頃にナイトを任せた事もある男。
傷だらけとなって小さくとも一城のクイーンとなった今、改めて見極めてやろうと言う心も少しはあったが、
かつての目利きに間違いはなかった。改めて想の底知れなさが姫子にも実感される。
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