過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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60:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/17(金) 01:30:23.17 ID:9cMf0qdf0
>>59

「それはあり得ません。あなたは直接は関わっていない」
「じゃあ、二人に限定するなら水原さん一人で殺した事になりますね」
「直接的には。その条件であれば、あなたが事件を知った時には既に富樫慎二は殺されていた」

「どうしてそう言い切れるんですか?」
「あなたは人殺しなどと言う愚かな事はしない。
仮に水原可奈から助けを求められたとしても別の解決法を考えた筈です」
「僕は信用があるんですね」

そう言って、想は眺めたグラスの中でウィスキー・ソーダの氷を静かに揺らした。

「言い古された言葉だけど、殺人は割に合わない。違いますか?」
「違いません」

「そう。私も今まで、その事を多少は実感して来たつもりです。
あなたの頭脳は、私の最も大切なものを守るに値する。私はかつてそう判断した。
そして、それは間違っていない。だから、決して割に合わないリスクしか無い愚かしい行動をする筈がない。
あなたの事を知って尚あなたが人を殺した、等と考えるならば、プラナリアから進化を始める事です。
水原可奈による殺害を知ったならばあなたはどうするか?隠蔽が可能であればそうしたでしょう。
殺人事件そのものの隠蔽は想像以上に手間が掛かる、あなたもそれを知っている。
普通の生活者であるあなたにもそして水原可奈にも、早々に出来る事ではない。
富樫慎二に識鑑のある水原可奈、その水原可奈と直結する燈馬想。
あなた達二人がそこまで生活リズムを崩して事後処理に費やしたら簡単に足がつく」

「確かに、水原さんは朝から弁当屋、僕も規則正しく工場勤務していますから、
事件そのものを消してしまう、そんな暇はありません。時間とエネルギーが不足し過ぎます」

「実際に事件は発覚した。
遺体にはかなりの処置が為されていましたが完全とは言えない。時間を掛ければ何れ発覚する。
少なくともあの遺体処理で身元不明状態を永久かつ確実に維持出来る、そう考える程あなたは無知ではない。
あなたが事件に関わったのならば、あなたが行った事は警察からの追及を逃れる、そのための指南をする。
まずはアリバイを作り、その他諸々の肉付けを論理的に組み立てる。
或いはそのための小細工をしておく。それも綿密に事細かく確実に警察が間違った証明に導かれる様に。
…無論、これは容疑者を二人に限定した場合の話です」

最後の言葉は、想の静かな眼差しに耐えきれなくなったから。姫子はそれを自覚していた。


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