過去ログ - 燈馬「おはようございます」可奈「はい、お弁当」
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65:燈可奈弁X ◆WxhrC2Qhtw[saga]
2012/08/22(水) 15:50:35.38 ID:OWZ75a520
>>64

「別の同級生からも裏が取れました。
つまり、映画に行く事は事件の前から決まっていた」

湯川が、無言で内海から視線を外す。

「これでも、映画の途中で抜け出して犯行を行う事自体は不可能ではありませんが、
事件の後から工作するのは無理です。計画的なら前もって計画されていた事になります」
「まさか」

笑い飛ばそうとして失敗した、その様に固まった表情の湯川は、
黒板の前でかつてなく挙動不審に首を動かしている。

「あり得ない」

湯川は、どさりと椅子に座り込んだ。

 ×     ×

「そうですか、彼女は元気ですか。それはいい事です」
「ええ。流石に今回の件では警察がしつこくて辟易している所もありますが」
「娘さん、でしたか。歳は?」
「中学生、綺麗なお嬢さんですよ」

「そう。だとすると…警察にうろつかれるのは母親の立場として不快では済まないでしょう」
「そうですね」
「警察の度が過ぎる様なら私の所に来る様に伝えて下さい」
「必ず」

想が返答し、姫子はふうっと息を吐いた。

「今や、水原可奈がシングルマザーであなたは中小企業の会社員、ですか」
「そして江成さんは弁護士」

「水原可奈なら、愛する者のためなら体を張る事を厭わないでしょう。
あなたはどこでも飄々と、真面目に役割を果たして生きていく。
思えば不思議でもなんでもないかも知れません」

「そして、江成さんはどんなに小さくても玉座を死守する一国一城の主。
もしかしたら海賊船の船長なのかも知れない」

珍しく感傷的、文学的な表現をする想に、姫子はふっと笑みを浮かべる。


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