過去ログ - 魔法少女ほむら☆マギカ〜私の居場所〜 明るい魔まマほむらルート
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/08/19(日) 23:59:17.02 ID:HtRzRryqo

  父親と母親の説明にほむらは素直に頷く。

 「そうか。ほむらは聞き分けが良くて助かるよ」
  そう言って父親が笑う。
 「それじゃ、さっき説明したとうりにお話を進めるからね」
 「……うん」

  ほむらの両親は言いたい事をほむらに伝えると、さっさと帰っていった。
  一人病室に残されたほむらはベッドの中でこれからの不安を口にして怯える。

 「手術なんて怖いよ。おばあちゃん……」
  今はもう、いつもほむらの側にいてくれた優しい祖母はいない。たった一人で手術の日を迎え、たった一人で入院生活を送らなければならない。
  そして、もしかしたら見知らぬ土地でたった一人で暮らさなければならない。
  今までだって、多忙な両親が一緒にいてくれる時間はほとんどなかったが、ほとんどないのとまったくなくなるのは違う。
  ほむらはひとり、誰にも不安な心中を打ち明ける事も出来ず、見滝原総合病院へと転院していくのだった……。

          ☆

  無事に心臓の手術を終えて退院する事の出来たほむらは、母親と一緒にいつか一家で住む事になるであろうアパートへとやってきた。

 「ほむら。ママもパパもまだこっちにこれないけど、一人でも大丈夫よね?」
 「……うん」
 「晩ご飯は宅配サービスを頼んであるから。朝ご飯とお昼ご飯は何か買って食べなさいね。お金はちゃんと送金するから」
 「……うん」
 「退院したと言ってもちゃんと病院には定期的に通って診てもらうのよ」
 「……うん」
 「それじゃ、ママは東京に戻るから。何かあったら電話しなさいね」

  母親はそれだけ言うと、ほむらに背を向けて去っていく。

 「……ママ、待って」
  ほむらは弱々しい声で母親の背に話しかける。
 「置いていかないで。ひとりにしないで……」
  母親は娘の弱々しい悲痛な叫びに気付かない。
 「ひとりはいや……。ひとりはいやだよ……」
  ほむらは俯いたまま、弱々しく言うと眼鏡を外して両目を手の甲で拭う。

  孤独な少女の見知らぬ土地での生活がこうして始まったのだった。


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