13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]
2012/08/16(木) 08:44:40.00 ID:DeNa+wh1o
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なのに。
それなのに。
廊下に一歩出た、その場所で。
私の制服の袖をつまむように、引き止めるのは。
最初から最後まで、私を振り回すのは。心も身体も、振り回してくれるのは。
紬「……離して、唯ちゃん」
唯「……やだ」
紬「………大丈夫だから」
いったい何が、どう大丈夫なのかわからないけど。でもそう言えば隠せると思った。
私の異変を感じ取って席を立ち、手を伸ばしたのなら、察してくれると思った。
でも、そんなことはなかった。
唯「……大丈夫じゃないよ」
紬「…大丈夫だから」
唯「大丈夫じゃないよ……」
「………私が」
部室の扉が閉じる音が、遠く聴こえた。
唯「「またね」って言ってよ、ムギちゃん」
紬「………」
唯「「さよなら」じゃ、怖いよ……」
ぐっ、と、飲み込んだ。
何かを。
紬「……またね、唯ちゃん」
唯「だめっ!!」
でも、彼女は手を離してくれない。
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