18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]
2012/08/16(木) 09:03:17.71 ID:DeNa+wh1o
唯「私もね、使えるんだ、『魔法』。ムギちゃんと違って、忘れさせるだけだけど」
紬「えっ、そ、それって……」
唯「うん。忘れちゃえばいいよ、全部。私の『魔法』で」
まず最初にびっくりした。
次に、正直、喜んだ。
でも、やっぱり最終的には。
紬「……それは、ズルだよ」
唯「…ムギちゃんなら、そう言うと思ってたよ。私の好きなムギちゃんなら。だから」
紬「…だから?」
唯「だから、忘れても、忘れないで。忘れても、同じ間違いを繰り返さないように、頑張って」
ちょっとだけ、言ってることが矛盾してる気がしたけど。
それでも言いたいことはわかった。わかってしまった。
唯「今度は、ちゃんと隣にいて?」
唯ちゃんの悲壮な表情は、私の反論を許さない。
唯ちゃんにはわかっているんだ、未来が。
自分を責め続ける私は、唯ちゃんの隣にはいられないと思い続けるって。
皆に対しても距離を置くか、あるいは償いたいがために自分のしたことを告白し、それでも許されることを良しとしないって。
そしてそんな私を見て皆は悩んで、でも私も自分を許せなくて。
ずっと。永遠にそれを続けるって。
そんなの、誰も幸せにならないって。
唯「……あと、これは私のわがままだけど」
紬「………」
唯「…今度は、普通に「好き」って言って欲しいな」
紬「……全部、忘れるんでしょ?」
唯「そうだけど……」
そうだからこその「わがまま」なのかもしれないけど。
でも皆が幸せになるために唯ちゃんは言った。忘れても忘れるな、って。
だったら頑張ろう。忘れて逃げるかわりに、忘れずに向き合おう。
皆を傷つけることが無いなら、それのほうがいいんだから。
傷つけることはなくとも傷つけてはいけないことを知っているなら、それが一番いいんだから。
紬「……どうするの?」
唯「ん、目を閉じて? それだけでいいから」
紬「わかった……」
ゆっくりと目を閉じて、忘れないよう決意する。
決意しただけで何が変わるのか、とも思うけど、忘れたら今度こそ私は私を許せないから。
忘れてしまうならそもそも意味が無いんだけど、それならそれで同じ過ちを繰り返すから。
だから、絶対に忘れな――
チュッ
紬「!?」
唇に、唐突に温かい感触。
そして、唐突に訪れる意識の淵――
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