109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/08/31(金) 23:34:05.30 ID:HyuFfHdDO
子猫には、何がおきているのかは分からなかった。
多少なりと見えるボンヤリとした影がクロのものだとしても、その彼に大分長い距離に投げられたため、遠目では分かり辛かった。
たが、激しく何かがぶつかる音や、その度に痛みに耐えるようなくぐもった声が子猫の身を縮こまらせる。
怖い、怖い、怖い。
あんなに強かったクロを追い詰める存在と、そんな存在によりずっと守ってくれていたクロを失うのではないかと彼は恐怖を覚えていた。
もう、ダメだ。
もう、ダメだ。
すると、子猫は、またも信じられないものを見た。
遠くに見える小さなクロの影がフラフラと走り始めたのだ。
敗走、間違いなかった。
勝てる訳がなかった、姿の見えない化け物なんかに。
しかし、逃げることも許されないのか、クロはまたしても吹き飛ばされた。
右へ、左へ、後ろへ、前へ、あちらこちらにやたらめたらにクロは転がっていた。
更に、血でも流れているのかビチャビチャと液体が流れるような音もする。
子猫は、腰が抜けていた。死なんて見たことはない、母は優しかったので自分にできるだけ側にいて危険から守ってくれていたから、でも今まさに目の前で起こっていることは、彼の見たことのない世界だった。
母と友達の姿が目に浮かび、目にジワリと涙が浮かんだ瞬間。
クロ「こんくらいだな。」
クロの声と共に、爆発的な炎と熱風が飛び散った。
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