201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/08(土) 20:50:08.55 ID:+Xfj+B4DO
 次の瞬間、マミが見たものは、その大口の中に広がる虚無の闇ではなく。  
  
  
 その巨大な顔面と、それに、めり込むように突き刺さったバイクだった。  
 その大きな目を丸くさせて、自らに迫っていた危機が離れていく。  
  
  
 その時になって、マミはようやく『それ』の全貌を知ることができた。   
  
  
 ヌラリとした蛇のような身体に、左右で青と赤の異なる色をした翼がついている。  
  
  
 ─────あれに、自分は殺されるところだったのだ。  
  
  
 崩れ落ちるように、ペタリとお尻をつけて座り込む。そこから、動ける気がしなかった。   
 頭が真っ白になって、しっかりと生きているはずなのに、視界がぼやけてしまう。  
  
  
 ただ、傍らに、黒い影がいることだけが分かった。  
  
  
  
  
  
  
 クロ「おいマミ!大丈夫か!?マミ!」 
  
  
 もはや胸ぐらを掴むほどの勢いでマミを覗き込むが、反応が薄い。  
 目に力が入っておらず、口もポカンとあいている。  
 恐らくは、気を失った状態と同じだと思う。   
  
  
 クロ「間に合っただけでも、よしとするかね。」 
  
  
 と、視線を後ろにそらすと、そこにはいつもの二人が立ち尽くしていた。  
  
  
 クロ「おい、まどかぁ!!」 
  
  
 その大声に、まどかがピクリと反応するのを確認する。 
 クロは彼女にある頼みごとがあった。  
  
  
 クロ「マミと、そいつを頼むぜ。」 
  
  
  
 そいつ、で指差された方には、何故か、暁美ほむらが目を回して倒れている。  
 まどかの混乱が一層激しくなったようだった。  
  
  
 しかし、そんなものには、もう、クロは目もくれない。 
  
  
 クロ「よう、大口野郎。」 
  
  
 突然の攻撃に驚いて逃げた魔女が、もう一度獲物を狩ろうと戻って来ていた。  
 魔女と戦う魔法少女よりも、更に小さなその体躯で、クロは立ちふさがる。  
  
  
 その背を、少女達に見せながら。   
  
  
 クロ「腹が減ってんなら、オイラに任せろよ。鉛なら死ぬほど食わせてやるぜ?」 
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