310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/09/20(木) 13:53:22.36 ID:br626PzDO
まどか「うん、クロちゃん面倒見が良いから。昨日はごねる二匹をギュッて抱き締めて寝かしつけていたし、ご飯を食べたがらないかぐらちゃんに口移しで食べさせていたし・・・」
やけに、クロは子供の面倒を見るのが上手かった。
ぶっきらぼうで、めんどくさがりなのはそのままに、それでもしっかりと子猫達から目を離さずに世話をする。
今までに、見たことのない姿だった。
知久「たぶん、彼もどこかの群れに属していたんだろうね。仲間と一緒に」
まどか「クロちゃんの・・・仲間」
今度、本人に聞いてみようと、まどかが考えた頃には、朝食は食べ終えていた。
詢子「ごちそうさま」
まどか「ごちそうさま」
詢子もしっかりとご飯を食べ終え席を立とうとしたとき、まどかは慌てて母の頭を指差した。
まどか「ママ!頭、さっきのでボサボサになってるよ!」
詢子「うおっ!?」
頭を掻き乱した詢子の髪型はどこぞのパンクロッカーのようにぴんぴんに跳ね回っていた。
詢子は走って洗面所に駆け込み鏡を覗きこむ。
力一杯、感情的に髪を弄ったため、少しばかり時間はかかりそうだ。
洗面所の入り口にまどかは立って、そんな母の様子を見た。
まどか「ママ!私もう行くよ!?」
いつもは、玄関を出るのは二人一緒だったが、さすがにこうなってはそうもいかないだろうし、無理に母親を急がせる必要もない。
詢子「あぁ、行ってこい。クロックアップするから」
冗談めかした荒い言葉を受けて家を出ようとした時、ふと気になっていたことを聞いてみた。
まどか「そうえば、ママ」
詢子「あに?」
まどか「あんなにたくさんの猫。急に引き取って、大変じゃない?」
最初、父がこのようなボランティアをしていることを知った時、何故母は、こんなことを許したのだろうと思っていた。
自分は、例えば困っている猫がいたりすれば、それは助けてしまいたいと思う。しかし、この母はとても厳しい人で、何をするにも覚悟と責任を背負うことが大事だと説く人だ。
自分が、もし中途半端な優しさでそんなことをすれば、叱られるのは自分なのだ。
そんな母は、この行為についてどう思っているのだろう。
詢子「猫が一匹増えようが、子供が一人増えようが関係ない。この家にいる以上は、猫だって家族だ」
何でもないように、母は髪を弄りながら言った。
詢子「それに────、愛する夫のやることに一々ケチなんてつけないさ」
少し、照れたように微笑んで、そう言うのであった。
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