658:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/10/30(火) 21:26:10.50 ID:pNxIW9DDO
血で指が滑りそうになる、しかも重みで腕がおかしくなりそうだ。
プルプルと震えながら腕は上がる。
銃口が持ち上がり、標準がなんとか化け物に合いそうになる。
その瞬間だった。
恭介「───え?」
突然腕の力が抜ける。
限界、どんなに気持ちでカバーしたところで曲げられない現実だった。
元々のスタミナの不足と今現在まで感じていた疲れは容赦無く恭介から腕の力を奪ったのだ。
恭介(そんな、こんなところで。嘘……だろ)
ゆっくりと腕が下がっていく、銃はなんとか握り締めているが腕を上に向けて維持する力がない。
まるでスローモーションのような時間の中で、恭介は絶望に顔を青ざめる。
恭介(もう少しなのに、もう少しで僕は、届くのに、そんな……)
銃の重みと己の弱さで下がっていく腕、それが
恭介(!?)
下がっていく、その途中で止まった。
地面に完全に落ちるその前に、その腕を必死に踏み締めて支える彼によって
ほむら『うっ、うわあああああ!!』
先程まで恭介を引っ張っていた小さな虎猫は今度は恭介の腕の真下に立ち、彼の腕を支えていた。
銃の重みと恭介の腕の重み、そのどちらにも耐え、ほむらは自分の為すべき事を為していた。
恭介「……ありがとう。本当に、ありがとう……、また助けられたね」
その姿にほんの少しだけ笑みを向けた恭介は、今度こそ、化け物に向けてその瞳をぶつけた。
覚悟と決意を、そして、恭介の腕は先程とは比べものにならないくらい滑らかに動き、その銃口を────そこに向けた。
恭介「いっけぇぇぇーーー!僕は僕自身の未来を掴み取ってみせる!!」
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