667:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/11/01(木) 02:52:49.00 ID:kMGO1+QDO
クロ「……良かったのか?」
後ろは振り返らずに、クロは訊ねた。
本人にはちゃんと聞こえるだろうか。
それ以前に自分の言葉に聞く耳を持ってくれているかも分からない。
さやか「バカな事を聞かないでよ。アンタが動けなきゃこの場の全員は死んでた」
機械的な返事が帰ってくる。
模範解答なら丸が付くだろうが、感想文なら残念ながら0だろう。
だが、それがさやかの精一杯である事も分かっている。
クロ「恭介の腕……どうするつもりだ?」
さやかが言葉に詰まる様子が背中を向けていても分かった。
そもそも、クロは恭介とさやかには現状維持でなんとかするつもりでいた。
さやかを魔法少女にしないために、その主たる理由になるであろう恭介の方からさやかを説得すればいいはずだった。
だが、甘かった。
とことん甘く、そして上手くいかなかった。
さやか「恭介が言ったんだ」
ポツリと呟くさやかの声をクロは黙って聞く。
さやか「魔法にも奇跡にも頼らないで前に進むって。なら、私がそれを邪魔しちゃいけないでしょ。信じなきゃ駄目でしょ。だって……だって、大好きなんだもん。頑張るって決めた男の子に、下手な手伝いはいらないと思ったんだ」
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