684:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/11/03(土) 20:37:34.95 ID:0JokThSDO
夢の中で目が覚めて、そして現実でも目が覚めた。
この奇妙なシンクロはそれほど特別な事ではないかもしれないが、しかしそれでもほんのりとした興奮を朝から届けてくれる。
要するに、なんだか得した気分になったのだ。
知久「……夢、か」
最近あの夢をよく見る。
とても不思議な夢で、まるで子供が見るような夢でありながら妙にリアリティーに溢れていた。
夢の中で自分は猫で、大きな廃工場の中で野良猫の群れの一員として暮らしているのだ。
そしてその夢にはいつだって、二匹の子猫が登場する。
名前は、確か
知久「マタタビに……、キッド」
詢子「う、うぅん」
何気ない記憶の中にある名前を口に出してみたものの、どうやらその声で隣に寝ている詢子を起こしてしまったらしい。
悪い事をしてしまったと声を潜めてみるものの、彼女はすでにモゾモゾと動き始めている。
詢子「……うん?」
そして、寝転がったままお互いに顔を合わせた。
目覚めたばかりの妻はいつもの強気な表情は鳴りをひそめて、少し夢見心地というかトロンとした目をしている。
知久「おはよう。詢子さん」
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