949:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/19(水) 19:38:55.00 ID:5s7jWz1DO
出会ったその瞬間から振りまいていた笑顔や、今ここにいない人に対する気配り、よくある他人の親は良く見える現象とは違う。
本当に、心からいい人なのだと分かる。
さやか「なかなか羨ましいじゃないの、まどか。……まどか?」
まどか「え?どうかした」
どうかしたもこうしたもない。
今、話しかけていた事に気付かなかったのだろうか。
思わず怪訝な顔付きになってしまったが、それでもまどかは、ジッと知久が消えていったリビングの入り口を見つめていた。
まどか「なんだろう?パパ、ピリピリしてた」
呟き、同意も反対も求めていない。
彼女の中でしか成立していない声が漏れ聞こえてきた。
その顔は不安に染まっており、さながら、親に置いていかれてしまった幼児のような雰囲気を持っている。
さやか「まどか?」
まどか「あ……、ううん、なんでもない。気のせいかも」
なんでもない、そう言って顔を向けるまどかのその顔は、決して、なんでもないで納得できるような物ではなく。
いつものように、困ったような乾いた笑顔を浮かべていた。
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