972:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/12/22(土) 13:30:59.81 ID:xGaoN6rDO
彼女は、一応誤魔化されてくれた。
あくまで『くれた』訳であって、納得まではしていないようだが、少なくとも今は問い詰めるつもりはないらしい。
知久は、素直に彼女の態度に安堵した。
男の言葉も、自らの行動も、根拠など存在しない。
何一つ理解できない事を話して、闇雲に不安にさせるくらいなら黙っていた方がいい。
知久「……ふふ」
ようやく余裕が出てきた。
目の前で、妻と我が子が楽しそうに話している。
緊張からの緩和で笑みがもれる。
今日は色々ありすぎだ。
あの男性にも、またいつか出会うような気がするし、あの少女にはいつか謝らなければならない。
そして、『あれ』も────
知久(いや、やめよう)
今日は、やめておこう。
まだまだ、これからやる事は山ほどあるのだから。
料理の仕上げや、食事の準備、その他色々。
でも、そんな事、文句などさらさらない。
知久「詢子さん、タツヤ」
詢子・タツヤ「「?」」
二人してキョトンとした顔を浮かべている。
たまにだが、うちには子供が三人いるような気がする時がある。
これを言えば、彼女は怒りそうだが。
知久「帰ろっか」
やっと、言えたような錯覚を覚えた言葉だった。
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