過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
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17:3/4[saga]
2012/08/23(木) 00:29:05.02 ID:QXBHTeFZo
「最近やっとそのことに気付いたんです……やっと、そう思えるようになったんです」

私がとびっきりの笑顔を向けても、しばらく律子さんの表情は変わらなかった。
それどころか、さらにもう一歩前進して顔を近づけ、私の目をジッと見つめ始めた。

「あ、あの……」

そろそろ気まずくなってきた私が目を逸らそうとした時、
律子さんはやっと分かってくれたのか、安心したようにニッコリと笑った。

「わかったわ」

「……ってことで! もう一人思春期からかけ離れてしまった小鳥さんをどうにかしましょう!」

「せめて満面の笑みで言わないであげて………」

「あはは」

ごめんなさい律子さん。
本当は少しだけ嘘をつきました。
もちろんそれは自分自身に対する嘘でもあったわけですけど。

ごめんなさい小鳥さん。
嫌いになんてならないけど、たまに小鳥さんに嫉妬することもありました。
だって小鳥さんには、プロデューサーさんを好きになれる資格があったから。

私がプロデューサーさんに抱く恋愛感情は、
本来なら抱くはずのない、抱くことの許されないもの。
だからその資格を持った小鳥さんが羨ましかったし、だからこそ、それを活かして欲しかった。

「春香?」

「は、はい!?」

「とりあえず、食事に誘わせる?」

「あぁ、そうしましょうそうしましょう! い、いやぁ面白くなってきた!」

「あんまり人の恋路を面白がっちゃいけないわよ……」

「恋のキューピッドですよ! キューピッド!」

「三味線も弾き方ね」

「えっと……それはよくわかんないですけど」

「物は言い様ってこと」

「なるほど………でもまぁ、お互い好意を持っているのは明白です!
 このままじゃ、あの奥手な二人にはいつまでたっても進展がありませんよ」

食べずに取っておいたスイーツが賞味期限を優に越えて、虫が湧いてしまうように、
恋に発展することなく、既に切れつつある小鳥さんの賞味期限が切れて、
虫が湧いて……って、むしろ小鳥さんの場合は虫が付かったからこうなったのか……。


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