過去ログ - 春香「ねぇプロデューサーさん?」
↓ 1- 覧 板 20
45:1/2[saga]
2012/08/24(金) 01:05:00.45 ID:+gymnPO2o
【Drunk Bird】
どれくらいの時間が経ったのだろう。
もう既に二人でいくつのグラスを開けたのか分からない。
結構酔いが回ってきたのか、無重力空間を漂っているような感覚が襲ってきた。
とはいえまだ理性、自制心の類はまだ残っており、その点は問題ない。
…………少なくとも俺に関して言えば。
「小鳥さーん、大丈夫ですか?」
「コロリはじぇーんじぇんらいじょぶれすよぉ〜」
「これはひどい」
小鳥さんは舌を半分切られたような口調で、ブツブツと一人呟いている。
『管を巻く』 を体現するその姿は、とても普段事務職をしているとは思えないものだ。
「もう勘定終わってますから、お家に帰りますよ」
割り勘だと気を遣われないように、こっそり払ってしまおうと思っていたが、
そんな心配は杞憂だったと今にして気が付いた。
もし小鳥さんがお金を出すつもりだったとしても、こんな状態じゃ不可能だからな。
「ほらほら、ちゃんと立って」
「やらぁー帰りませーん」
回転数の衰えた独楽のように、小鳥さんの足取りは不安定なもので、
カトちゃんばりの小鳥足……もとい……千鳥足で、
靴も履かずに居酒屋の通路をペタペタと歩いている。
しかたなく靴を履かせ、手を取って肩を組ませ、
半ば担ぎ上げるようにして出入り口を目指す。
するとバイトらしき女の子が心配そうな顔をして近づいてきた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あはは、ちょっと羽目外しすぎちゃったみたいで」
「ぶぅ〜」
一人ブタの真似ごとをする小鳥さんに、女の子も苦笑い。
『こんな大人になっちゃいけないよ』という言葉が喉元まで出掛けたが、
ここは飲んだくれのどうしようもない大人たちが集う居酒屋。
彼女だって、そんなことはとうの昔に分かっているだろう。
「君、お酒飲む?」
「いえ、飲みません」
「そっか……これから先そういう機会があったら、飲み過ぎには気をつけてね」
「は、はぁ」
「ぶぅ〜」
小鳥さんの普段とは違った姿を見ることができて得したような気分ではあるが、
出来ることならもう少しだけ、しっかりとしてもらいたい。
こんな大人になりたくないなんて、将来のある若者に思われたらおしまいですよ?
俺個人としては、そんな一面を持った小鳥さんも、とても魅力的に写るんですけどね。
「ありがとうごさいました〜お気をつけて〜」
女の子の威勢のいい声を聞きつつ、ドアをくぐる。
店を出てすぐおんぶへと移行したが、小鳥さんは足をプラプラと落ち着きがない。
内面から溢れ出てくる高揚感の処理方法が分からないのだろう。
「じたばたしゅ〜るぅなよ〜♪ 聖飢魔Uがくぅるじぇ〜♪」
「小鳥さん、暴れないでください!」
「あててんのよ〜」
77Res/124.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。