過去ログ - 勇者「時代は変わり」魔王「風と共に去りぬ」
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311: ◆2GCrAwA30Q[saga]
2013/04/14(日) 18:46:37.59 ID:uDrtBboq0



◇勇/魔◆



――点呼をした所、生き残っているのは三十三騎に過ぎなかった。

無理も無い。
あくまで偵察任務の為の装備が主であり、戦闘を行う事は想定していなかったのだ。
出来るだけ、敵を避けつつの行軍ではあったが、魔軍は北部辺境の彼方此方へと、分遣隊を出していて、
遭遇戦を完全に回避するのはまず不可能であった。

女エルフ中尉「(調達隊……)」
女エルフ中尉「(魔族の化け物どもは兵站のヘの字も知らんのか糞ッ垂れめッ!)」

古来より、戦における物資の調達の基本は現地調達であった。
現地調達と言えば聞こえも良いが、要するに略奪の事である。

連邦共和国軍を始めとした人類国家に属する軍の多くは、
鉄道の導入と道路網の整備によって、この忌わしき古からの悪習よりかなり解放されつつあるが、
しかし今なお、必要に応じて現地調達は行われている。

まこと、兵站は戦争の基本中の基本でありながら、これほどまでに難儀なものも無い。
兵員の数では人間国家の軍隊の多くを上回る魔王の軍勢にとっては、兵站は余計に難儀な代物である。

よって彼らは、昔ながらのやり方を貫く道を採っている。
やはり略奪は、ある意味一番手間が掛らなくてヨロシイのだ。
魔族にとって、戦争の相手は殆どの場合人間であるから、後腐れは全くない。
むしろ、人間から奪い取るのは、立派な戦略の一環とすら言えるのだ。

女エルフ中尉「(そのお陰で……こっちは碌な目にあってない!)」



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