227:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:09:15.09 ID:P7aT+clno
明日香と二人きりで外出するのは、多分初めてのことだったと思う。今までのことを考
えると明日香と並んで冬の曇り空の下を喧嘩もせず刺々しい雰囲気もなく歩いていること
自体が奇跡のようなものだ。
228:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:11:38.14 ID:P7aT+clno
「まあね。ユキちゃん一緒に座ってもいい?」
「うん。どうぞ」
229:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:13:10.56 ID:P7aT+clno
「ごめんなさい。変なこと言っちゃって」
赤くなって狼狽している妹を見て少し後悔したようにユキが言った。「別に変な意味じ
ゃなの。何か羨ましいいなあって思って」
230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:15:17.26 ID:P7aT+clno
結局この二人の関係やなぜここで待ち合わせをしていたかということは、いつの間にか
曖昧にされてしまった。二人は身を乗り出すようにしてテーブルに開いたメニューを眺め
ている。こんなことなら明日香がユキの隣に座ったらよかったのに。
231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:17:00.58 ID:P7aT+clno
並んで座っているユキとの距離が近かったせいでユキの顔は一瞬どきっとしたほど僕の
すぐそばに近寄っていた。
僕は以前どこかで読んだことを思い出した。
232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:21:35.21 ID:P7aT+clno
「ピアノといえばさ」
僕は明日香の視線から目を逸らした。「『クラシック音楽之友』っていう音楽の専門誌
を知ってる?」
233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/30(日) 19:22:58.60 ID:P7aT+clno
ユキとは一緒に食事をして一時間ほどしてから別れた。
明日香とユキは仲良くピザを半分こした挙句、ユキが最初に注文していたケーキまで二
人でシェアしていた。その様子は僕から見ても微笑ましかった。
234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage]
2012/09/30(日) 19:23:52.42 ID:P7aT+clno
今日はここまで
次回から第三章です
ここまでお付き合いありがとうございます
235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/30(日) 19:25:05.11 ID:LX+jv4mfo
乙
236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/09/30(日) 19:25:43.12 ID:FCSzVXMKo
乙! 楽しく読ませてもらってるよ!
第三章にも期待
237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2012/09/30(日) 22:29:06.35 ID:JRu2govho
一気に読んでしまった
こういう現代小説みたいなのがこで読めるとは思わなかった、乙
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