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254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/03(水) 00:19:07.23 ID:RgkJGLofo

『お兄ちゃんへ。明日は大晦日だから朝からおせち料理を作ります。でも今日はあたしは
用事があるので買ってきて欲しい物をメモにしておくので、今日中に揃えておいてね』

『万一お兄ちゃんが夕方まで寝過ごすといけないので、有希に鍵を預けてお兄ちゃんを起
こしてくれるよう頼んでおいたから。あと、買物にも付き合ってくれるみたいだから、有
希と一緒にメモに書いた物を買って来ておいてください』

『あたしは夕方には家に戻るからね。お兄ちゃんはあたしがいなくて寂しいかもしれない
けど、いい子にしていてね』

『買っておいて欲しい物』

『おせち料理』


「・・・・・・何だこれ」

「明日香からナオトさんに渡してって頼まれたの。あとお昼ごろナオトさんの部屋に行っ
てナオトさんを起こしてって」

「うん、ありがと。目を覚ましたよ」

 僕は言った。

 ようやく意識がはっきりとしだすと、僕の部屋に明日香以外の女の子がいるという違和
感が半端でなくすごい。

「明日香め。ユキさんに無理言ったみたいだね。本当にごめん」

「ううん。ナオトさんは気にしないで。おかげでナオトさんの部屋にも入れたしナオトさ
んの寝ているとこも見られたし」

 ユキが言った。

 冬休に入ってから明日香とユキが毎日のように会っている場所にどういうわけか僕も同
席していたのだけど、それは明日香に荷物持ちを強要されていたせいだった。ユキも僕に
対してはあくまでも親友の彼氏で、友だちの明日香の兄貴というスタンスで僕に接してく
れていた。

 なのでユキは過度に馴れ馴れしい態度を僕に向けることはなかった。でも今、僕の部屋
に入って僕を起こしてくれたユキの態度は今までとは何か違う。僕の寝ているとことを見
られたしって、そんなものをユキは見たかったのか。

「ちゃんと起きた?」

 ユキが言った。

「うん。本当にごめん。妹が無理なことお願いしちゃって」

「別にいいの。全然無理じゃないし」

 もともと誰とでも親しくなれる子だとは思っていたけど、今日のユキは何だかいつも以
上に親し気だ。妹の友だちでナオの親友。僕にとってはユキはそれだけの存在なのに


 僕が気にし過ぎているだけでユキにとってはそれだけのことなのかもしれない。でも今
僕の部屋に僕とユキは二人きりだ。そのことを正直にナオに話せるかといったら、もちろ
んそんな勇気は僕になかった。


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