267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/04(木) 23:29:25.30 ID:tJhIMvBio
「お兄ちゃん、おせち買えた?」
夜になってどこからか帰宅した明日香は僕に会うとまずそれを聞いてきた。
「買えてない」
「え〜、ちゃんとメモ書いたのに。お兄ちゃんは信用できないから明日香にも一緒に行っ
てもらったのに」
「・・・・・・予約もなしにこの時期におせち料理なんて買えるわけないだろ。おまえには常識
がないなのか」」
「そうなの? じゃあお正月とかどうするよ」
「どうって・・・・・・コンビとかファミレスなら正月でも営業してるでしょ」
「本気で言ってるの? パパとママも帰ってくるのに。玲子叔母さんだって多分家に来る
よ。そん時におせちもなかったら叔母さんに何言われるかわからないじゃん」
「それは確かに」
叔母さんのことだから正月はうちを期待しているに違いない。どうも彼氏もいないみた
いだし。
「はあ。でも考えていても仕方ないか。あとでママ・・・・・・は無理か。おせちのことはパパ
か叔母さんに相談するよ」
「うん。それがいいかもね」
突然ユキから告白された直後だというのに僕は明日香と普通に会話できている。何だか
僕が言うのも生意気なようだけど、これまでの人生で全く縁がなかった女の子の告白にい
つのまにか耐性ができたみたいだ。
ナオの告白。明日香の告白。そして今日ユキにまで告白された。明日香はともかく、ナ
オとユキの場合は出会ってからたいして間がない時期の告白だった。
でもナオの告白はユキの場合とは違う。一見するとろくに知りもしない可愛い女の子に
夢中になってナオの告白に応えたように思えるかもしれないけど、あの時はわずかな時間
だけしか話したことのないナオに僕は心から惹かれていたのだった。ナオが告白してくれ
るより前から。
「何であたしを無視して考えごとしてるのよ」
妹が不満そうに言った。
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