34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/09/01(土) 00:05:49.34 ID:JedZn9S4o
それでも今夜のこれは酷すぎる。ここまで来ると黙っている僕さえも同罪かもしれな
い。僕は一瞬両親にこのことを話そうかと思ったけど、すぐにその考えは脳裏から失わ
れた。
今の僕はそれどころではない。中学生の妹との飲酒癖は早めに直した方がいいに決ま
っているけど、結局は妹の自己責任というか事業自得じゃないか。
僕は明日早起きして駅までナオに会い、彼女の告白に返事をしなければならない。こ
んな深夜に妹の面倒をみている場合ではないのだ。
「どいてよ」
突然妹がそう言って僕の横をすり抜けリビングを出て行った。しばらくすると浴室の
方からシャワーの音がした。
僕はほっとした。これで少しは妹も正気に戻るだろう。
僕は妹が脱ぎ散らかしたコートとかハンドバッグとかを拾い集めた。もうこんな時間
だから両親は泊まりで仕事をしているのかもしれないけど、万一遅い時間に帰宅したと
きに両親にこんなリビングの様子を見られるわけにはいかない。
それは姑息な誤魔化しだったけど今の僕には他にいい手段は思いつかなかった。
ソファを片付けているとその隅にバーボンの小さいボトルが転がっているのが見えた。
粋がっている中高生の飲酒なんてせいぜいビールとか缶入りの梅酒とかだろうと思っ
ていたのだけど、それはアルコール度数40の強い酒だった。仮にこんなものをどこか
で飲んでいたとしたら妹が家に酔っ払って帰ってきたとしても不思議はない。
僕はため息をついてそのボトルに残っていた酒をキッチンのシンクに流して捨てた。
リビングがだいたい片付いた頃、リビングのドアが開いて全裸の妹が戻ってきた。
茶髪が濡れているところを見るとシャワーを浴びていたのは本当だったようだ。こい
つはろくに髪も体も拭いていないのだろう、髪も体もびしょ濡れのままだ。
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