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398:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/10/28(日) 22:50:52.99 ID:cCVWXsHpo

「その女帝って人は何がしたいんでしょうか」

 僕は素朴な疑問を平井さんに聞いた。

「・・・・・・どういうことだ」

「いや。無軌道に騒ぐだけなら単なる高校生の衝動なのかもしれないけど、組織立だって
何かをしようとしているとしたら目的があるんじゃないかと思って」

「ほう」
 平井さんが皮肉っぽい笑いを浮かべた。「兄ちゃんも高校生だろうが。随分うがったこ
とを言うな。まさか、兄ちゃんが女帝じゃないだろうな」

「冗談だよ、冗談」
 僕の顔色を見た平井さんが笑った。「でもいいところを突いてくるな。加山なんかより
よっぽど刑事の素質があるな」

「平井さん!」

 顔色を変えて加山さんが言った。どうもこの人は冷静さに欠けているみたいだ。

「だから冗談だって言ったろ。でも兄ちゃんの言うとおりだ。何のメリットもなくやつら
が女帝に従うはずはねえ」

「メリットって」

「そろそろやばいっすよ。平井さん。ちょっとこいつに情報漏らしすぎじゃないですか」

 不服そうにそう言い出した運転席の加山さんには構わずに平井さんは言った。

「兄ちゃんは合法ドラッグとか合法ハーブとかって聞いたことあるか」

 それはテレビのニュースで聞いたことがある単語ではあった。

「聞いたことはあります。麻薬みたいに違法になっていないけど同じような効果があるや
つでしょう。吸うというよりアロマみたいに焚く感じの」

「そうだ。実際にはかなり危ないことがわかっているけど、法改正が追いつかずに違法薬
物に指定される前のブツって感じかな、だから脱法ドラッグと呼ばれることもある」

「そしてそれはドラッグそのものだ。いい気持になるなんて程度のもんじゃねえんだよ」

「はあ」

「それはとにかくだ。今はまだ違法の麻薬じゃねえしな。表立っては取り締まれねえ。そ
れに暴力団の連中だってまだこんな美味しいネタに気がついていねえみてえだ。時間の問
題なんだろうけどな」

「もうわかったか?}

 平井さんが煙草を捨てて靴の底でもみ消した。

「女帝のグループはその合法ハーブを取り扱っているってことですか」

「ピンポン」
 平井さんが嬉しそうに寒いセリフを吐いた。「あのガキどもが悪さしないで大人しくな
るなんざ理由があるんだよ。それが小遣い稼ぎだったんだろうな」


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