485:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/06(火) 22:43:57.42 ID:IZBoRVWYo
それからしばらくは僕たちは黙ったまま寄り添っていた。居心地は悪くない。お互いに
長年身近にいたせいか、こういう時間も全く気まずくはなかった。
「そう言えばさ」
明日香が僕の手を両手で包んで撫でるようにしながら言った。
「うん」
「お兄ちゃんて妹属性ってある?」
「は?」
僕の趣味はアニメや漫画がゲームだったから妹属性とかと言われればすぐにピンときた
けど、これまでそういう系統に全く興味を示さなかった明日香がよくそんな言葉を知って
いたものだ。
「何でそんなこと聞くの」
「いや。お兄ちゃんって去年まではあたしのこと本当の妹だと思ってたわけじゃん」
「まあね」
「何て呼ぼうかなって」
「はい?」
「あたしたち結ばれたわけだけど、お兄ちゃんが妹と結ばれたことに萌えているのならお
兄ちゃんの趣味にあわせてこれまでどおり、お兄ちゃんって呼んであげようかなと」
「・・・・・・妹だと思ってたら僕がおまえと付き合うわけないだろ」
一瞬、本当の妹である奈緒の顔が目に浮かんだ。
「そう? じゃあ奈緒人って呼んでいい?」
確かに明日香にお兄ちゃんて呼ばれることには違和感はなかった。でも僕が実の兄貴で
あることを知った奈緒は自然に僕のことをナオトさんではなくお兄ちゃんと呼んだのだ。
これからは奈緒が妹で明日香は僕の彼女なのだ。
「そうしたかったら奈緒人って呼べば?」
「うーん」
自分で提案しておきながら明日香は少し考えて赤くなった。僕の肩に自分の頭を預けな
がら。
「いきなり呼び捨てっていうのも違和感あるなあ」
「・・・・・・じゃあもう好きに呼べば」
「お兄ちゃんすねてるの? 可愛い」
明日香が顔を起こして僕を覗き込んだ。
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