530:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/13(火) 23:56:17.42 ID:hx9segxTo
「どうした明日香」
俺は有希の手前戸惑ったようなふりをした。でも明日香が俺に何を言いたいかは半ば見
当がついていた。こういうところが明日香の純真なところなのだけど、こいつは罪のない
(と明日香が信じていた)奈緒と有希を救おうとしているのだ。
「あんたたちに言っておくけど。さっきあんたたちに嫌なことを言ったのは眼鏡の男でし
ょ。この子たちは一緒にいただけで関係ないじゃん」
明日香が蒼白な表情で飯田たち言った。
「こいつらはあの男と一緒にいたんだから同罪だろうが。あいつの分まで落とし前付けさ
せて何が悪いんだよ」
ずいぶん無理のあるいい訳だけど有希の前では飯田だってそう言うしかなかったのだろ
う。自分を励ますように飯田は行動に出た。
突然飯田にスカートを捲り上げられた奈緒の白く細い脚がむき出しにされ、奈緒は小さ
な悲鳴を上げた。
怯えたような演技でぺったりと地面に座り込んでいる有希はこの展開に満足していたの
だろう。
「あんたがこいつらを止めないんだったらあたしはあんたと別れて二度と口聞かないか
らね」
明日香が俺に言い放った。「あんたは平気なのかよ? あの眼鏡のせいで関係ない女の
子がレイプされても」
有希はともかく奈緒の方は多分明日香の言うとおり何の関係もない女の子と言ってもい
いだろう。俺は有希の子分じゃない。以前から不満に思っていたそういう気持ちにも火が
ついた。有希が女帝と呼ばれていることなんか、半分くらいは仲間内での遊びのようなも
のだ。たかが中学の女の子に必要以上に萎縮することなんかない。まして明日香が俺に行
動を求めているのだ。
「わかった」
俺はそう言った。その瞬間、それを聞いた飯田は奈緒のスカートから手を離して俺を睨
んだ。俺を睨んだのは飯田だけだった。あとの二人は有希の方を見て彼女の意向を気にし
ているようだ。
「もうよそうぜ。駅前に行って飲みなおそう
俺は飯田に言った。こいつさえ納得させてしまえば後の二人はとりあえずは有希のこと
は考えないことにして言うことを聞くだろう。
飯田が俺を睨んだけどそのうちあいつの方が先に俺から目を逸らした。
「つまんねえやつになったよな、池山も。こいつのせいか」
『おまえ有希に逆らう気なのかよ』
飯田の心の声が聞こえたような気がした。でも口には出さずやつただ明日香を睨んだだ
けだった。奈緒を抱きすくめていたやつが彼女を放した。
「早く逃げな」
明日香に声をかけられた奈緒と、それに心中では俺に対して怒り心頭に発していただろ
う有希がこの場を逃げ去って行った。
飯田なんかに嫌われたってどうということはないけど、有希が明日香のことを嫌いだし
たのは間違いなくこれがきっかけだったと思う。
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