過去ログ - ビッチ
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640:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/11/27(火) 22:41:34.76 ID:26vxZsPMo

「てめえ何だよ。おめえには関係ねえだろ」
 俺が会ったことのない男が低く言った。演技か本気かはまだ判然としない。「てめえ、
付けやがったな。やる気なのかよ」

「その女は俺の知り合いだ。俺の知り合いに手を出すとかおまえ何様のつもりだよ」

 こいつらの反応を気にしてしまっていたせいで俺の言葉は中途半端なものだった。でも
心配するまでもなく俺に反応した男にはやる気が感じられない。ユウトも玲子の体から離
れた。

「来いよ」
 俺は低く唸った。「やる気なら相手してやる」

「・・・・・・覚えてろよ」
 最初に俺に話しかけたやつが絵に描いたようなセリフを吐いた。こんな臭い芝居でも突
然拉致されて混乱している女相手なら十分通用するだろう。有希はそこまで考えていたの
だろうか。

 玲子の体に執着してせいか少し命令を逸脱したようだが、とりあえず有希の命令を果た
した三人は俺のことを睨みながら部屋を出て行った。出がけにその一人が俺にウィンクし
た。

 そうだ。こいつらには俺の後に玲子を自由にしていいという指示が出されているのだ。
あいつのウィンクの意味は早く回せよとか独り占めするなよとかって意味が込められてい
たのだろう。

 そう考えると俺と玲子に残された時間はあまりない。部屋を出て行ったこいつらは建物
内のどこかで待機しているはずなのだ。有希にとりあえずの現状報告でもしながら。

 今のところ有希への報告は全て計画通りということになるだろう。指示を逸脱して最後
まではしていないものの玲子の体を弄んだことには口をつぐんむだろうし。今のウィンク
には有希には内緒なという意味も含まれていたのかもしれない。

 俺はとりあえず縛られている玲子を開放しようとした。彼女が俺を味方だと信じてくれ
るかどうか少し不安だった。俺がピアノの側を通り過ぎて縛られている玲子の近くに来た
とき、そんな心配は無用だったことに気づかされた。

 俺の視線はまず玲子の縛られた華奢な裸身と、その体のそこら中に刻まれた赤い痣に引
きつけられた。これまでに相当乱暴なことをされていたらしい。これは完全に有希への命
令違反だ。でも今はそれどころではなかった。俺は彼女の体から目を離して顔を見た。

「大丈夫っすか? 待ち合わせ場所に来ないから心配に・・・・・」

 俺は玲子にかけた言葉を中断した。

 白目をむいた目。形のいい唇の端からこぼれて周りに付着している泡。玲子は完全に意
識を失っていたのだ。


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