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789:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/31(月) 23:51:37.41 ID:AQ0OypmRo

「もう少しで一月になるけど、君の決心が固まったのかどうか聞きたくて」

 僕は言った。

「まだ決めてません。一月たっていないし」

 それから彼女はハンドバッグの中から数枚のプリントを取り出した。読むまでもなく麻
季と先輩のメールのやり取りだろう。未だに麻季は先輩と接触があるのだ。

「多分このことが気になっているんですよね。どうぞご覧になってください」

 そう言われると僕は麻季のメールが気になっていたような気がしてきた。矛盾するよう
だけどさっきまでは先行きのことばかり気にしていて、今現在の麻季と先輩の様子を気に
することは失念していたのだ。



『奈緒人君が順調に成長しているようで何よりです。よかったね』

『ありがとう先輩。この子はあたしにべったりなのでトイレに行くのも大変』

『麻季みたいな人がママならそうなるだろうね』

『この子を幼稚園に盗られちゃったらあたしはすることが無くなっちゃうな。そう思うと
ちょっと恐い』

『そしたら君はそれだけ旦那さんに愛情を注げるんじゃない? やり直すんだからいいこ
とだと思うけどな』

『先輩は何でそんな意地悪なこと言うの?』

『ごめん。意地悪したつもりはないんだ。でも君が彼を愛していると言っていたから』

『あたしの方こそごめんなさい。先輩が心配してくれているのに』

『彼とうまくいってないの?』

『博人君はあたしに優しいよ。でも何か彼の目が遠くて恐いの。あたしを見てくれている
ときでもあたしを通り越してもっと遠くの方を見ているようで』

『こんなこと聞いて悪いけど、旦那は君を抱いてくれた?』

『レスのままです。でもそういうこと先輩には聞かれたくないよ』

『ごめん。でもしつこいようだけど言わせてもらうよ。僕には麻季を誘惑して抱いてしま
った責任がある。麻季が旦那と幸せなら僕はもう何も言わないしメールだってしない。で
も麻季が彼との生活に辛い思いをしているなら、僕のところに来て欲しい。僕は麻季がど
うするか決めるまでは独身のままで待っている。それが僕の贖罪だと思うから』

『ありがとう先輩。今は決められないけど気持ちは嬉しい。あたしのしたことは過ちだ
し博人君を裏切ったのだけど、それでも先輩との一夜が単なる遊びじゃなかったってわか
った。それだけでも先輩には感謝している』

『お礼を言うのは僕の方だ。例え僕が麻季と結ばれても僕は一生君の旦那さんへ罪悪感を
感じて生きて行くんだろうな。それでも後悔はしてないよ』


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