825:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/09(水) 23:18:52.63 ID:wSH5UfB0o
「やめておけ」
父さんが断定するように言った。
「だって」
僕がそう言ったとき妹が口を挟んだ。
「お姉さんが家に来て奈緒ちゃんたちを返せって騒いだときさ、あたしは窓から覗いてた
んだけど男の人と一緒だったよ」
「そうか・・・・・・」
やはり鈴木先輩と麻季の仲が再燃したのだろうか。
「多分お姉さんの実家に行っても解決しないよ。それにお兄ちゃんが電話してもお姉さん
は出ないんでしょ」
「着拒されてる」
「じゃあ無理よ。出張が終るまではこの子たちはうちで面倒みるから。父さんたちは体調
もあるから厳しいだろうけど、あたしも面倒看るから」
「そうよ。唯も大学が休みなんで協力してくれるそうだし、あなたは安心して仕事に戻り
なさい」
母さんが妹の唯を見て言った。妹も頷いている。
これでは全く何も解決しないし、麻季のことをまだ信じたい僕の悩みも解決しない。で
も父さんと妹の言うことが正しいことはわかっていた。わずか二日でできることはない。
翌日は麻季を探すことを諦めた僕はずっと奈緒人と奈緒と一緒に過ごした。妹が一緒に
来てくれたので公園に行ったりファミレスで食事をしたりショッピングモールで二人に玩
具や服を買ったりした(妹の話では両親の服装のセンスは古いので買い足した方がいいと
のことだった)。
子どもたちは妹に懐いていたけど、それ以上に僕のそばを離れようとしなかった。麻季
のことは気になるけれど唯の言うように今は子どもたちと過ごすことを優先してよかった。
明日には僕は再び子どもたちを置いて出かけなければならないのだから。
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